【下町家庭菜園】日照時間が短い住宅密集地のベランダでプランター家庭菜園は可能なのか検証を行う―2023年7月3週

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家庭菜園まとめ


このレポートの趣旨

下町の住宅密集地の住宅街。
それは窓を開けたら隣の家の壁が目の前にあるエリアのこと。
直射日光が当たるのは一日のうちで3時間程度。

このような植物にとって過酷な環境でも家庭菜園は可能なのか?
直射日光がない環境でも野菜は育つのか?おいしい野菜は作れるのか?
興味本位で検証を開始したのでリアルタイムにレポートを作成したいと思う。


栽培する苗と栽培環境について

今回選ばれた野菜苗は下記5品種

7/2下記2品種追加

栽培環境は下記の構成とした
プランター:楽々菜園深型600支柱用 フレーム付
   外出時に水やりができないので底面給水機能付きの製品を選定。
培養土:かる~い培養土 25L
   原材料がココヤシピート/バークたい肥/パーライト/菌根菌等。
   ベランダで使用することを前提に軽い配合の培養土を選定。
底石:超軽量鉢底石 5L
   徹底的な軽量化を目指して、少々値が張るが軽量底石を選定。


参考書籍


栽培の記録

2023年7月16日【30日目】シシトウの実、ナスが成長し花とわき芽が増える、ミニトマトアイコ(赤)はたくさん実をつけている、キュウリの草丈が玄関の戸を超える

シシトウの1つ目の実が育っています。

シシトウの実

ナスの花が増えてきました。

ナスの5番花が咲き始める

つぼみも増えています。

ナスのつぼみ

成長が悪くなっていたのですが、やっとわき芽が育ってきました。
先週の追肥が効いているようです。

ナスのわき芽

ミニトマトアイコ(赤)はたくさん実をつけています。

ミニトマトアイコ(赤)の実
ミニトマトアイコ(赤)の実
ミニトマトアイコ(赤)の実
ミニトマトアイコ(赤)の実

キュウリはすくすく成長し、草丈が玄関の戸を超えました。

キュウリ(右)

2023年7月17日【31日目】シシトウの1つ目の実を収穫、シシトウの実がならない原因を検証、光合成細菌を与える、ヒメジュウジナガカメムシ

シシトウの1つ目の実を収穫しました。
1つ目は小さめのうちに収穫して株を充実させるのがよいそうです。
(参考:野菜の育て方・栽培方法

シシトウの実

全長は約5cmです。もう少し小さいうちに獲ってもよかったかもしれません。

シシトウは花を多く咲かせていますが、1つ目以降実をつけていないようにみられます。
原因を考察します。

Yahoo!知恵袋OKWAVEを参考に6つ仮説を立てたので検証します。

  1. 受粉していない。肥料不足で起こる「短花柱花(たんかちゅうか)」の状態。
  2. 生理落花。苗が小さいうちにたくさん花をつけ苗本体が弱っている。
  3. 気温が低い。
  4. 葉や茎に食害があったり、全体に色が黄色くなってきたりしている。
  5. 日照不足。実を育てるに充分な光合成ができていない。
  6. 枝の数や新芽の数が多過ぎて栄養不足で実になれない。

まず、「1. 受粉していない。」を検証。
以前咲いていた花のうち、いくつかは枯れて茶色くしぼんでしまっています。
ナスの花が落ちたときと同様で、肥料不足で受粉しなかった可能性があります。

茎から枯れたシシトウの花

では現在咲いている花はどうでしょうか。5つほど咲いています。
雌しべの長さは正常で、肥料不足で起こる「短花柱花(たんかちゅうか)」の状態ではなさそうです。

今咲いているシシトウの花

シシトウはナスと同じプランターに植えているので、これまでは肥料不足で実がついていなかった可能性があります。
その場合、先週の追肥が効果を発揮し、現在は肥料が足りたため正常雌しべをつけていると判断できます。

「2. 生理落花。苗が小さいうちにたくさん花をつけ苗本体が弱っている。」
最近草丈の成長は止まり、花がたくさんつくようになっています。
しかし草丈は60cm程度まで成長しているため、苗が小さいわけではなさそうです。

「3. 気温が低い。」
この可能性はないです。連日猛暑日が続いており、ベランダは40℃近くまで気温が上がっています。

「4. 葉や茎に食害があったり、全体に色が黄色くなってきたりしている。」
シシトウは今のところ食害にあっていません。ナスはかなり食べられていますが……。
黄色くもなっていないのでこの可能性は低いです。

「5. 日照不足。実を育てるに充分な光合成ができていない。」
これは十分にありえます。

そもそもこのプロジェクトのコンセプトが、

下町の住宅密集地の住宅街。
それは窓を開けたら隣の家の壁が目の前にあるエリアのこと。
直射日光が当たるのは一日のうちで3時間程度。

このような植物にとって過酷な環境でも家庭菜園は可能なのか?
直射日光がない環境でも野菜は育つのか?おいしい野菜は作れるのか?

というものなので。


ミニトマトアイコがおもしろい成長をしているのでみてみましょう。

ミニトマトアイコ

上記写真の通り、ベランダの奥側(写真左)と手前側(写真右)で草丈に10cm程度差が出ています。
ただでさえ日照時間が少ないベランダですが、手前はさらに当たらないのです。

シシトウは奥と手前で草丈に差は出ていませんでしたが、日光不足は可能性としてかなり高いと踏んでいます。

よって、光合成細菌(PSB)を与えることにしました。
日光不足が原因であれば、効果が出て実がなってくるはずです。

光合成細菌

最後に「6. 枝の数や新芽の数が多過ぎて栄養不足で実になれない。」について。
シシトウを上から撮ってみました。

上から見たシシトウ

茂ってきていますが、横に広がっていて葉が1枚1枚光合成できている状態ではあると思います。
追肥してから花の数もやや増加傾向にあるため、栄養不足の線は低そうです。

検証の結果、シシトウの実がならない原因として以下の2つの可能性を考えました。

①肥料不足で花の雌しべが短く受粉しない状態が続いていた。
②日照不足で実が育たない。

①については先週の追肥で対応済み。
②は今回光合成細菌を与えたので引き続き観察していきます。

新たな虫を発見しました。
シシトウの葉についていた、オレンジベースに黒の斑点が特徴的な甲虫です。
サイズは1cmないくらい。小さめ。

おそらくヒメジュウジナガカメムシだと思います。

シシトウの葉についたヒメジュウジナガカメムシ

德丸 晋・上田由里子・新谷雅敏 (2017) ナスにおけるヒメジュウジナガカメムシの発生 によると、ナス・オクラ・シソに発生、「ナスでは全体の約3割の株で発生を確認し,成虫および幼虫が葉や茎を吸汁加害し,生長点付近を幼虫により集団で加害された株は,萎凋症状を呈した」そうです。

またしてもナスを狙った虫がいらしてしまいました。
虫にやられず元気に育ってほしいです。


2023年7月21日【35日目】ナスの葉と花が落ちる、わき芽が成長している、わき芽をかく

ナスの下葉が落ちていました。
古い葉だったので老化と判断。

新しく咲いていた花も落ちてしまいなかなか実になりません。

落ちたナスの下葉と花

わき芽やつぼみは増えているので生長段階でまだ実をつけないのでしょうか?
次々咲く花も雌しべは長いので肥料不足ではなさそうです。

ナスのわき芽と咲いている花
ナスのわき芽とつぼみ

また、横に広がるより縦に伸びてほしいので、1番花より下に出てきたわき芽は摘みました。


2023年7月22日【36日目】シシトウの実がなりはじめる

シシトウに複数の実がつき始めました。

なかなか実がつかない原因について、5日前に立てた仮説は正しそうです。

①肥料不足で花の雌しべが短く受粉しない状態が続いていた。
②日照不足で実が育たない。

①については先週の追肥で対応済み。
②は今回光合成細菌を与えたので引き続き観察していきます。

シシトウの実
シシトウの実がなりはじめている

追肥と光合成細菌の効果が出てきたとみてよいでしょう。
花は複数咲いているので、それらも実になるか引き続きウォッチしていきます。


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