陶芸の師に「真空管オーディオの音が欲しいのだけど。ちな、レコードね。予算は2万円。」と相談されたのでシステムを設計。解決してみる。その3

要件定義が済んだところで、実際のシステム構築に入る。
低価格帯コースから攻めることにする。

1万円コースを構築する

定義された必要要件

真空管Phonoイコライザーアンプを導入の方向でシステム設計を考える。
Amazonで価格レンジに入ってくるPhonoイコライザアンプを選定する

要件に合う候補機種を選出する

早速候補期の選定を行う

 


候補機種1 Douk Audio T4 PLUS

スペック
入出力

オーディオ入力:MM、MCフォノ/ 3.5mm AUX
オーディオ出力:ステレオLR RCA /3.5mmヘッドフォンジャック
ヘッドホンジャックの最大出力:150mW @32Ω
ヘッドフォン出力インピーダンス:32-300Ω
AUX入力:入力レベル 0.775V
RCA最大出力レベル:1.5V

アンプ性能

AUX
 周波数応答:20Hz-20KHz(±0.3dB)
 S / N比:≧110dB
 THD:0.2%
Phono IN
 フォノ入力レベル:0.005V
 RCA最大出力レベル:300mV(MM)/ 3V(MC)
 周波数応答:RIAA特性に準拠する(±3dB)
 S / N比:71dB
 THD:0.8%

真空管

5654

販売価格

11,280円(2023/07.04現在)
若干の予算オーバー

特徴

・MM カートリッジだけではなく、 MCカートリッジにも対応。(カートリッジについてByDenon)複数の入力インピーダンスに対応(1KΩ/470Ω/220Ω/100Ω/47Ω/22Ω/10Ω)していて、一般用とではまず困ることは無いと思われる。価格の割に非常によく考えられた仕様と思う。

・3.5mm AUX入力により、スマートフォンや他のデバイスからの音声信号を受け付けることができる、これにより他にプリアンプを買い足さなくても真空管を経由できるというオトクなパッケージングを実現しているらしい。プラグインによる切り替えと思われるので使い勝手は????
・外観は縦型筐体、VUメーター、真空管のヒーターもよく見える構成になっており、視覚的にも魅力的な雰囲気。みていて楽しい筐体。VUメーターはやはりテンションが上がる
・チューブ部分はセラミックソケットになっている。流通が多い5654真空管の1段構成なので気軽に交換可能と思われる。真空管メーカーによるサウンドの変化を楽しめる筐体と思う。
・PHONOプリアンプ部(受けがLT071, イコライジングがJRC2068?)はPhono入力をJ-FET受けで設計してあるのか?ただの回路屋じゃなくてオーディオ屋が設計していそう。真空管サウンドが再現されていそうな回路構成に見える。ヘッドフォンアンプ部(NE5534)はソリッドステートの様子使用している部品は「まぁそうですよね」という選定。ケチらずにコストをかけるところにはかけている。入力→LT071→JRC2068→5654真空管バッファ→出力 のような回路構成と思われる。

一言

★この価格帯MM/MC両対応。使ってる部品もそれなりででは文句の付け所がない!!!!
★若干ゲインが低いような気がする。常にフルテンボリュームで使えるので逆に良いのでは?
★真空管が最初から5654お買い得!
★VUメーターかっこいい!



候補機種2 Douk Audio T4 PRO Mini

スペック
入出力

オーディオ入力:MMフォノ/ターンテーブル/ 3.5mm AUX
オーディオ出力:ステレオL / R RCA /3.5mmヘッドフォンジャック
ヘッドホンジャックの最大出力:150mW @32Ω
ヘッドフォン出力インピーダンス:32-300Ω
AUX入力:入力レベル 0.775V
RCA最大出力レベル:1.5V

アンプ性能

周波数応答:20Hz-20KHz(±0.3dB)
S / N比:≧105dB
THD:0.2%

真空管

5654

販売価格

8,280円(2023/07.04現在)

特徴

・前出のT4 PLUSからMCカートリッジ対応機能とVUメーターを取っ払ったような機種。この機種もとてもコストパフォーマンスが高い構成になっていそう。真空管の実装基板が一枚にまとまってる影響からか、PLUSに比べてS/N比が若干劣化している。Webページ上にPhono部のスペックが載っていない等コストダウンモデルといった印象。若干の劣化は有ると思われるが、おそらく性能は一緒。
・MM カートリッジ対応。(カートリッジについてByDenon
・3.5mm AUX入力により、スマートフォンや他のデバイスからの音声信号を受け付けることができる、これにより他にプリアンプを買い足さなくても真空管を経由できるというオトクなパッケージングを実現しているらしい。AUXプラグインによる切り替えと思われるので使い勝手は????
・外観は横置きのよくある筐体、真空管のヒーターもよく見える構成になっており、視覚的にも魅力的な雰囲気。
・チューブ部分はセラミックソケットになっている。流通が多い5654真空管の1段構成なので気軽に交換可能と思われる。真空管メーカーによるサウンドの変化を楽しめる筐体と思う。
・PHONOプリアンプ部(受けがLT071, イコライジングがJRC2068?)はPhono入力をJ-FET受けで設計してあるのか?ただの回路屋じゃなくてオーディオ屋が設計していそう。真空管サウンドが再現されていそうな回路構成に見える。ヘッドフォンアンプ部(NE5534)はソリッドステートの様子使用している部品は「まぁそうですよね」という選定。ケチらずにコストをかけるところにはかけている。入力→LT071→JRC2068→5653真空管バッファ→出力 のような回路構成と思われる。

一言

★若干ゲインが低いような気がする。常にフルテンボリュームで使えるので逆に良いのでは?
★真空管が最初から5654お買い得!
★T4 PLUSの弟分。VUメーターを無くして、真空管を一枚の基板に載せたので若干ノイズが増えた、MCは非対応ねという機種。





候補機種3 Douk Audio T3 PLUS

スペック
入出力

オーディオ入力:MM、MCフォノ/ 3.5mm AUX
オーディオ出力:ステレオLR RCA /3.5mmヘッドフォンジャック
ヘッドホンジャックの最大出力:130mW @32Ω
ヘッドフォン出力インピーダンス:32-300Ω
AUX入力:入力レベル 1.0V
RCA最大出力レベル:2.0V

アンプ性能

AUX
 周波数応答:20Hz-20KHz(-1dB)
 S / N比:≧100dB
 THD:0.01%
Phono IN
 フォノ入力レベル:0.005V
 RCA最大出力レベル:530mV(MM)/ 5V(MC)
 周波数応答:RIAA特性に準拠する
 S / N比:89dB
 THD:0.2%

真空管

6A2

販売価格

7,755円(2023/07.04現在)

特徴

・MM カートリッジだけではなく、 MCカートリッジにも対応。(カートリッジについてByDenon)複数の入力インピーダンスに対応(1KΩ/470Ω/100Ω/47Ω)していて、一般用とではまず困ることは無いと思われる。価格の割に非常によく考えられた仕様と思う。

・3.5mm AUX入力により、スマートフォンや他のデバイスからの音声信号を受け付けることができる、これにより他にプリアンプを買い足さなくても真空管を経由できるというオトクなパッケージングを実現しているらしい。AUXプラグインによる切り替えと思われるので使い勝手は????
・外観は縦型筐体、真空管のヒーターもよく見える構成になっており、視覚的にも魅力的な雰囲気。みていて楽しい筐体。
・チューブ部分はセラミックソケットになっている。6A2真空管の1段構成。中国製の6A2は以前使用したがまぁヌケが悪いチューブだった。購入したら5654辺に換装した。
・流通が豊富(だった)な6BE6が互換球、メーカー説明では6J1 / 6J4 / 5654 / 6AK5 / 6 * 1Nが使えるとの事なので気軽に交換可能と思われる。真空管メーカーによるサウンドの変化を楽しめる筐体と思う。
・細かな説明はされていないがJRC2068を内部で採用していますよ!と書いてある。ケチらずにコストをかけるところにはかけているのでは?と想像。入力→???→JRC2068→5653真空管バッファ→出力 のような回路構成と思われる。筐体を開けて見てみたい 

 

一言

★前出のT4シリーズよりゲインが高そう。
★縦型筐体は使いやすそう。
★真空管が6A2。この真空管あまり印象が良くない。真空管載せ替え前提で購入になりそう





候補機種4 Fosi Audio BOX X4フォノプリアンプ

スペック
入出力

オーディオ入力:MMフォノ/ 3.5mm AUX
オーディオ出力:ステレオLR RCA /3.5mmヘッドフォンジャック
ヘッドホンインピーダンス:16Ω

アンプ性能

 フォノ入力レベル:0.005V
 RCA最大出力レベル:650mV(MM)
 周波数応答:RIAA特性に準拠する
 S / N比:70dB
 THD:0.1%

真空管

5654

販売価格

8,999円(2023/07.04現在)

特徴

・MM カートリッジ対応。(カートリッジについてByDenon
・3.5mm AUX入力により、スマートフォンや他のデバイスからの音声信号を受け付けることができる、これにより他にプリアンプを買い足さなくても真空管を経由できるというオトクなパッケージングを実現しているらしい。プラグインによる切り替えと思われるので使い勝手は????
・チューブ部分はセラミックソケットになっている。流通も多く、特性も素直な5654真空管の1段構成なので気軽に交換可能と思われる。真空管によるサウンドの変化を楽しめる筐体と思う。
・TREBLE、BASSのコントロールが付いてる。
・入力→OPAMP→5653真空管バッファ→出力 のような回路構成と思われる。 

一言

★前出の選定した機種の中で最もゲインが高そう。
★真空管が最初から5654お買い得!
★イコライジングしたい場合は便利そうだが音質劣化しそう。
 


特徴まとめ

今回選出した機種を比較すると下記の表のようになる。

スペック比較表

モデル名T4 PLUST4 PRO MiniT3 PLUSBOX X4
ManufactureDouk AudioDouk AudioDouk AudioFosi Audio
価格11,280円8,280円7,755円8,999円
MM/MC対応MM◯
MC◯
MM◯
MC✕
MM◯
MC◯
MM◯
MC✕
真空管565456546A25654
VUメーター
イコライザ
PhonoPreAmp部
S/N比71dB89db70dB
周波数応答RIAA準拠±3dBRIAA準拠RIAA準拠
THD0.8%0.2%0.1%
※スペックの記載が無い

機種選定(良さそうな順)

THDは真空管を用いる時点であまり気にしてもしょうがないパラメータと思う。
1%以下なら十分な性能と言えると思う。なのであまり気にしていない。
要求仕様別にざっと整理してみた。

◯MM/MC対応が欲しい場合
この場合T3 PLUSがコスト的に有利なように見えるが、真空管の買い替え等を考えるとT4 PLUSを導入したほうが良さそう。
 ①T4 PLUS
 ②T3 PLUS

◯VUメーターが欲しい場合
 T4 PLUS一択

◯MMのみの入力で良い場合
 ①BOX X4
 ②T4 PRO MINI

◯イコライザが必要な場合
 BOX X4一択

私の個人的な欲しい機種は、各性能がしっかりスペック切ってある
T4 PLUSである。VUメーター搭載、真空管が5654、イコライザがない直結というのがポイントが高い。見た目、汎用性、スペック共にコスパが高いと思われる。(若干の予算オーバー)
イコライザが付いていなければBOX X4という選択も有ったが残念。直結好き勢です🙏



クライアントのオーディオシステムに組み込み。その場合の配線図

そのまま等ブログを配線マニュアルとして活用してもらおうという魂胆が丸見えの項であるが、正にそのとおりである。
こんな感じで接続を行えば、真空管で味付けされたサウンドを楽しむことができると思われる。
飽きたらTTをAMP直結に戻せば元のセッティングに戻るので気軽に楽しんでほしい。
チャネルセレクトは「Line1」で音が出るはずである。

TT:DENON DP-55L → フォノプリアンプ → AMP:YAMAHA A-S301



あとがき

サラッと書いて終えるつもりだったが、思いの外中華製激安オーディオに良い機種が溢れていてどれもコレも甲乙つけがたい。超大作の1万円コース選定文書に成ってしまった。正直全部欲しい。

次回、2万円コースの構築に続く・・・・

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